A Certain smile,A certain sadness

洋服作ったりお酒飲んだり音楽聴いたりお笑い見たりラジオ聴いたり

私の1989年-STONE ROSES,PIXIES,NINE INCH NAILS,RED HOT CHILLIE PEPPERS,BEASTIE BOYS,PIZZICATO FIVE,The Flipper's Guitar

 てれびのスキマさんの新書

「1989年のテレビっ子 -たけし、さんま、タモリ、加トケン、紳助、とんねるずウンナンダウンタウン、その他多くの芸人とテレビマン、そして11歳の僕の青春記」

が発売されることになり自分なりに1989年を振り返ってみる事にしました。

 

 

 

12歳で川崎から父の実家のある熊本県天草に引っ越し

私は1989年に14歳、中学2年生になっていた。

 

引っ越した先は所謂過疎化が進んだ小さな町のとある村…

と言っても差し支えの無いような地区。

コンビニも信号もない。

そして保育園から中学まで顔ぶれが同じという1学年1クラス。

 

そこに川崎から来た異物の私

どうやってその地にそのクラスに

馴染むか考える毎日だった。

 

自分なりに

勝手に

精神をすり減らしていた私を癒してくれていたのが

欠かさず購入していた『週間プロレス』『週間FM』『ロッキン・オン』

そして

テレビから流れる『夢で逢えたら

ラジオから流れる『ロンドン発ピーターバラカン!』『BBCロックライブ』。

 

その中で私を虜にしたのが

ダウンタウンウッチャンナンチャンUWF

DAVID BOWIEELVIS COSTELLO

 

テレビは当時民放3局、見たい番組の放送時間や日時がバラバラ

週刊誌は発売が4日遅れと絶望的な中、

ラジオだけはいつもオンタイムで私に寄り添ってくれていて

自然と音楽への熱中度がさらに増していく。

 

部活以外する事が無い私には

毎日洋楽の掛かる番組をカセットテープでエアチェック

雑誌やDJの蘊蓄を繋げて歴史を遡り

天草では手に入れられないCDを手にする為に

買い物リストをノートに付ける様になっていった。

 

年に数回ある熊本市内への買い物チャンスには

(私の住む所から熊本市内までは車で当時4時間以上掛かった)

お年玉やお小遣いを貯めた財布と

汚い字で書きこまれた買い物リストを手に

市内に数件あるレコード屋をハシゴ。

マツレコ、ウッドペッカー・・・

 

ボウイは

ディランやイギーポップやヴェルベッドアンダーグランド、

ウォーホールNEW WAVEを教えてくれたし

コステロ

ニックロウ、スクィーズ、パンク、モータウンを教えてくれた。

 

当時実際手に取れた音源は限りはあったが

その後タワーレコードや中古レコード屋等で

当時の買い物リストに名前が挙がっていた物を見付けると

いまだにニヤニヤして購入しております…。

 

音楽を深く掘れば掘る程

リアルタイムで耳に入ってくる音楽には満足できず

「俺達の時代のBOWIEやCOSTELLOは居ないのか!」

という思いが強くなっていった。

 

何故なら当時流行っていたのは

ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックポーラ・アブドゥル、ミリ・ヴァニ、スキッド・ロウモトリー・クルー、ポイズン等で僕の心を刺激する音では到底なかったから・・・。

 

そんな中1989年の中学2年生の時に

今でも音楽が好きな人との共通言語となる

素敵なアルバムのリリースが相次いだ。

そう、俺達の時代のロックンロールが現れたのです!

※1989年当時購入できなかったアルバムも含む

 

 

THE STONE ROSESTHE STONE ROSES

それまでは『メロディ』が全てだった私に『リズム』のカッコよさをを教えてくれたSTONE ROSES。ロッキン・オンでの絶賛評で手に取ったのだがサイケな60年代風の音を最新のリズムで奏でる彼らに1発でノックアウトされた。

「今自分は最先端の音楽を聴いてる!」

と一人部屋でひょこひょこ踊っている坊主頭の中学二年生の姿は今思い返しても・・・。彼らのデビューは私にとって『STONE ROSES』という共通言語を手にした勝利の日だ。

 

PIXIES - Doolittle

ラジオから流れて来たポップでメランコリックでノイジーで破壊的な彼らの曲に心奪われ今でも愛してやまないPIXIESの2ndアルバム。

「叫ぶように歌っているのに何て心に響く音楽なんだ!」

今は1stアルバムの方を愛聴しているが最初に勝った彼らのアルバムがこのアルバムじゃ無ければこんなに好きになっていなかっただろう。彼らのお蔭でUSのバンドも沢山知っていったんだ!

 

NIRVANA - BLEACH

NIRVANAも私の時代の重要な共通言語の一つ。

NIRVANAの1stアルバムは1989年に発売になっているが完全に後追い。1991年に「NEVERMIND」で大ブレイクを果たした後1992年の再発でようやく手に取る事が出来たアルバム。

当時カートの「俺は究極のポップソングを書こうと思い、ピクシーズをパクッたんだ。それは素直に認めるよ(笑)。はじめてピクシーズを聴いた瞬間から、強く魅かれるものを感じたんだ。俺はあのバンド―、もしくはピクシーズのカヴァーバンドに入るべきだったと思えるくらいにね。ソフトで静かな後に、ハードでうるさくってという強弱の手法はピクシーズから拝借したのさ」なんてインタビュー読んでPIXIESファンの私はニヤニヤしたものだ。

 

Nine Inch Nails - Pretty Hate Machine 

この年にリリースされたTHE CUREの名盤「Disintegration」よりも怪しくダークで当時アメリカを席巻していたヘアーメタル群とは一線を画していたNine Inch Nailsのデビューアルバム。PVを見かけてぶっ飛んだ。ニューウェーブ感も強く今聴くと大分ちゃっちい感じもするが当時の私には全く聴こえ方が違った。『トレント・レズナー』も私の時代の大切な共通言語。

 

Red Hot Chili Peppers - Mother's Milk

 

1989年はウッドストックから20年と言う事でラジオや雑誌ではよくウッドストック特集が。そんな中ラジオでジミヘンのFIREをカバーしたレッチリの曲が掛かってビックリ!アルバムを買ってスティービーワンダーのHIGHER GROUNDのカバーを聴いて二度ビックリ!!そこら辺のヘアーメタル勢とのあまりの違いに驚いたものです!ファンクっぽさで言うならファンクメタルと呼ばれたEXTREAMの1stも出たのが1989年なんだよなぁ・・・。

 

De La Soul - 3 Feet High & Rising

発売当時そんなに良いとは思わなかったのだがROSESを聴いた後に聴き直してみるとリズムのカッコよさに痺れた。ホール&オーツの曲をサンプリングして原曲よりカッコ良くする手法に驚いた。いかつさの無いニュースクールの幕開けはメロディアスで甘い。

 

Beastie Boys - Paul's Boutique

De La Soulより入りやすかったBEASTIE BOYSの2ndアルバム。前作のFIGHT FOR YOUR RIGHTで虜になったクチですが今作はパンクサウンドは鳴りを潜めサンプリングの嵐!嵐!その後色々な音楽を聴く度に「あーこの曲サンプリングで使われてたなぁ」なんて楽しみ方も出来る聴きごたえのあるアルバム。楽しんだもん勝ち!

 

PIZZICATO FIVE - 女王陛下のピチカートファイブ

ROOSTERSの花田裕之がギターで参加してる経由でアルバムを購入。

あまりにもお洒落な音で度肝を抜かれた思い出。ニキビだらけで坊主の中学生には刺激的すぎる1枚でした・・・。

ここから

 

The Flipper's Guitar - three cheers for our side〜海へ行くつもりじゃなかった

彼らのお蔭でギターポップのレコードを沢山購入。

アズティックカメラ、ヘアカット1000、フェルト、オレンジジュースと言った

コステロとスミスの間を埋めてくれるようなバンドを沢山教えてくれた。

 

 

※他にも1989年にデビューしたバンド

GREEN DAY - 1,000 Hours

The OffspringThe Offspring

 

試聴機も無い時代でしたので

ラジオでエアチェックして

出来るだけハズレの無いように

慎重に購入していましたが

時には勿論理解不能なアルバムもありましたが

購入できる枚数が限られてる中学生にとって

CD1枚と言うのは大変貴重なもので

好きになるまで聴き込む!聴き込む!

って事を繰り返し大好きになったアルバムもあった。

半分強がりもあるけど・・・。

 

繋がりで音楽を聴くという楽しみ方を覚えたのは

間違いなくこの頃だし

今後も様々な繋がりを見付けてニヤニヤしながら

まだ星座になっていない星達を

自分なりに星座に繋げられたらいいなと思っています。

 

中学時代は1989年に手にした共通言語で

話す機会は全く有りませんでしたが

歳を重ねるにつれ

生きる世界が広くなっていくにつれ

共通言語で話す機会が増えてきました。

 

同年代で共通言語を持っていると

それまで生きていた環境が全く違うのに

同じ時期に同じ音を聴き

同じ様に熱狂したと思うと

初めて会った人でも会っていない時間が埋まる

人と人も繋いでくれる

そんなマジックを音楽は私に掛け続けてくれている

そう信じています。

 

稚拙な作文を最後までお読みくださってありがとうございます。

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